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こころの広がり


 8年近く前から海外での定期講座をはじめました。最初に行った国はパリでした。パリが決まったとき、実際にはとても憂鬱でした。なぜわたしがパリまで行かなくてはいけないの?という思いがあり、パリへの出発までになんとか行かないで済む方法はないだろうかと、パリ行きのトランクを見るたびに、ため息ばかりが出ていました。
 その当時、自分の価値観の中に、自分の人生に、海外は皆無だったのです。本当に情けない話ですが、こう思っていました。「海外旅行をする人の気が知れないわ。自分の国である日本でさえ全部知ってもいないのに、わざわざ外国までなぜ行くんだろう・・・。お金と時間の無駄。まして海外はブランドが安いからなんてそれこそ信じられない。旅費を計算したら日本で買うほうがよっぽど安く買えるじゃない。“置き引きやスリ、事故、海外は治安が悪いので充分注意して下さい?”そんな恐ろしい思いまでして、どうして海外に行くわけ?」と。
 実はそのときは気づいてはいませんでしたが、本当の理由は、19歳のときから病弱な時期が長かったため「わたしは体が弱いから疲れやすい」という思い込みでした。さらにもう一つは子供の頃から人見知りが強く、人とのコミュニケーションが苦手、と思っているため、新しいチャレンジに躊躇していたと思います。

 「自分らしく生きる」というテーマで講座が始まってから11年が経ちました。講座のきっかけを作られた医学博士である舟木先生は、あるチャレンジの前で自分の癖が優先して躊躇したり、自分の観念に巻きこまれているときにかぎって、「君は心が大きくなりたくて学んでいるのか?小さくなりたくて学んでいるのか?」と聞かれました。しばらくして、はっと気づきます。「そうだった、わたしは心が大きくなりたくて学んでいるんだった。そして自分の中の無限の可能性と言う実感を得たくて学んでいるんだった。たった一度の人生を自分らしく活き活きと躍動して生きたくて学んでいるんだった・・・。そうだった」と、自分で自分に確認することがたびたびありました。

 しかし虚弱体質の年数があまりにも長かったため、それは理屈を超えて体に染み付いている厄介な観念です。その観念が将来、自分の葦を引っ張る心だとしたら?しかし8年前にはそのことをキャッチするだけの大人の感性は持ち合わせておりませんでした。だから、とうとうパリ行きの当日を迎えたときは、とても心が重かったです。おまけにそのときはモスクワ経由でしたのでパリまで16時間以上だったと思います。機内での時間の経つのが遅いこと遅いこと、何十回時計をみたことか。機内は音がうるさいし,眠れないし、やること無いし・・・、ブツブツブツと心はすべて囚われることだらけでした。
 やっとパリに着きました。心の中で「イヤーさすがにパリは遠いわあー。16時間だよー。ああーああ」と思いました。パリの空港で舟木先生と出会ったので、思わずその時間の長さを伝えようと思いましたら、先生は「いやー、早いもんだねー夏木さん。文明は進歩したねえ。考えてごらん、もし昔だったら日本からパリへ行くのに、自転車でどれだけかかると思う?ホテルに泊まるから費用もずいぶんかかるしねえ・・・。たったの16時間で日本からパリへ着いちゃうんだからなあー。すごいよなあ。そうだろう?」と、わたしの顔を覗きこみました。あまりにもばかばかしい先生の言葉だったのですが、思わず、「そういえばそうですねえ・・・」と答えている自分がいました。
 なにが心の中で起きたのかわかりません。しかしなにかが割れたことは事実です。だって帰りは空港や税関や機内や飛行時間がまったく気にならなかったのですから・・・。それよりも成田について「ホントだ、早いもんだ」と思ったのですから・・・。
 あれから8年、ずーっと海外に出かけています。すでに100回以上は国際線に乗っているでしょうか?一度としてマイナスに思ったことがありません。どこにいても同じ心境です。豊かです。あのとき、何かが割れたとしか思えません。

 最近、熱く燃えている本があります。舟木先生の書かれた「輝け」(リヨン社刊)です。そこにこのように書かれている文章があります。
“世界は広く、人種はさまざまです。宇宙は限りなく広くても、人間の心の宇宙はいまだに小さいものです。ふと宇宙の広さに気づいている人も、最近は大変多くなってこられたものと思います。一生に一度の人生を、いったいどのくらい、心の広い宇宙にすることができるか 、人それぞれが改めて考えていかなくてはいけないなと思います。 人間としての本当の価値観に目覚めることが、大切であり可能であると確信しています。
 世界にはすでに国境が存在していないと思って生きる人と、あると考えて生活する人達の心の反応の違いが、心の豊かさをすでに自己表現しているように思われます。心に国境をもたない人達はすでにこころの広い人達かと思います。あなたがたの中にある不思議な世界は、人間の心の狭さを広がりのある心に変向させてくれます。
 あなとの心にいまだに偏見の心があるならば、そろそろ心の広がりを見せる生き方に変化していかなければきっと後悔することになると思います。”
 人間一人一人の中に平等に存在する本当の自分という不思議な世界は、生きる上でもっとも必要な活力を生み出してくれます。しかしその力に蓋をしてしまう、やっかいな意識、無意識の癖、・・・観念ですが・・・、人間が自ら進んで自分の深さを求める意志をもったときから、観念を割る名サポート、名コーチが深い世界から手を貸してくれているようです。

 パリ、ハワイ島ヒロ、ニューヨークと、この地で自分らしく生きる講座が根付きました。その地で学ぼうとしている友は自分にとって我が子です。我が子のごとく本当の愛で接することができたらと切望しています。そのためにもさらに自分の心の成長にチャレンジしたいと思っています。

 

かがやく女性の輪代表

夏木ルミ子

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